顎変形症について

顎変形症は保険対応です。

顎変形症は保険対応です

顎変形症と診断された場合、治療は保険適応になります。

矯正治療で改善が難しい症例だった場合、外科矯正(顎変形症の手術)を行うことによって、お悩みを改善することが出来ます。
提携している大学病院と矯正治療専門の当院が連携した治療を行いますので、美容外科などと比較すると安価で治療を行えます。

どのような場合に保険適応になるの?

不正咬合のうち骨格的な要因が原因で、それに伴う咀嚼機能障害、発音機能障害が認められる場合の手術を前提とした矯正治療を行うと決定した時から保険適応となります。

治療に年齢制限はありますか?

下顎の成長が認められなくなる15歳以降であればいつでも可能です。まだ成長がある場合は手術後にさらに成長してしまう可能性があるためです。

また、加齢により顎の骨が薄くなりすぎると手術が出来なくなる場合があります。
手術を行う提携している大学病院での検査で可能かどうか判断していただくことになります。私の経験した最高年齢は58歳の女性でした。

当院の顎変形症治療の流れ

顎変形症の相談

まずは、顎変形症の適応かどうかの相談にご来院いただきます。

顎変形症の適応

骨格的なことが原因での不正咬合、機能障害や発音機能障害があって、ゴールとして骨格的なところから改善したいのか、歯だけで改善したいのかによって変わります。

骨格的な問題を解決したいと考えている人が、手術を行うと意思決定した人には、顎変形症という診断がつきます。

顎変形症の相談

顎変形症の治療を外科的にするメリット

  • 原因である骨格的な改善のアプローチをすることによって、術後の安定性が得られるというメリットがあります
  • それを無理に歯列矯正のみで解決しようとすると、症例にもよりますが歯肉退縮や後戻りの原因となることがあります。

不正咬合の程度の問題ではない

原因が骨格的であるからこそ、起こりうる機能障害及び発音障害を改善するために、手術を併用する矯正治療が必要です。

美容整形と同じベクトルではないことを理解していただきたいと思っています。

大まかな治療のご説明

  • 治療方法
  • 提携先病院について
  • 治療の流れ
  • 簡単な手術の説明

これらすべてを聞いていただいた上で、治療するかどうかを決定していただきます。(決定したら、予約をおとりいただきます。)その後、精密検査を行い、治療計画を立案、ご納得いただけたら術前矯正に進んでいきます。

手術前の矯正治療(術前矯正)、顎骨の手術、手術後の矯正治療(術後矯正)の3段階で治療を行います。矯正装置は通常のマルチブラケット装置を使い手術直後にしっかりと咬みあう状態まで歯を動かします。

その後提携先の大学病院とミーティングを行い、骨の移動様式を決定し手術を行います。入院期間は1週間程度です。退院後、術後矯正として仕上げの矯正治療を行い、咬合の安定を確認後、装置をはずして保定に入ります

大まかな治療のご説明

術前矯正

骨格的な上下のバランスを整えるために手術をするのだけれど、歯性補償(コンペンセーション)によって、骨格的な状態をカモフラージュするための歯の傾きになっています。

そのカモフラージュを解除するため、骨に対してしっかりと排列されます。骨格的なバランスが整った状態での適切なかみ合わせになるように歯を動かすことが術前矯正の目的となります。

例)骨格性の受け口の方は、術前矯正でより受け口がひどい状態の歯並びになります。

術前矯正の期間

1年〜2年程度

術前矯正

手術

提携病院にて、手術を行います。提携先は以下になります。

  • 東京医科歯科大学
  • 横浜市大センター病院
  • 大和市民病院
  • 保土ヶ谷中央病院
  • 湘南鎌倉
  • 北里大学

顎変形症の治療は矯正歯科専門医と顎変形症手術専門医が綿密な連携をとって治療計画を立てて、その計画に沿った治療を実現することにより、機能的な咬合の改善や術後の安定性はもちろん、患者さんが希望される顔の変化を達成することができます。

大学病院勤務時代にセカンドオピニオン外来にいらっしゃった他院で行った顎変形症の治療結果に納得されていない患者さんが、術後にかみ合わせが安定していなくて前歯でご飯が噛み切れないとか、聞いていた話とちがい口元が出てしまって不満があるといったことを訴えられることがありました。

治療経過を主治医の先生に問い合わせて、何が原因か精査したところ、手術計画の時点では求めている結果が達成されていそうであるのに、実際は計画通り顎の移動が達成されていないことが原因であることがほとんどでした。

当院では以前からタッグを組んでる、年間の手術件数が多く、手術精度も高い顎変形症手術専門医として、東京医科歯科大学歯学部附属病院口腔外科、横浜市立大学附属市民総合医療センター歯科・口腔外科・矯正歯科、北里大学病院形成外科・美容外科の先生に手術を依頼しております。

このような信頼できる先生方と、綿密に連携した治療を行っています。

患者さんには顎変形症の治療を開始する前に必ず顎変形症手術専門医の受診をしていただきます。

術後矯正

術後3ヶ月〜6ヶ月は骨格を安定させるために、ゴムを使用します。 骨格が安定したのを確認したら、仕上げの矯正治療に進みます。 目安として、手術から1年で保定に入ります。

術後矯正

顎変形症によくある質問

手術の内容に関して

提携先の病院で、手術の内容やリスクなど納得のいくまで説明を聞いていただいたうえで、治療を開始するかどうか決定していただいております。

まずは提携先病院の矯正担当の先生に、手術の見立てを立ててもらいます。 次に、口腔外科医が手術の内容や方法について説明をしてくれます。

一生で一度しか行わない治療ですので、全ての疑問や不安を解消してから、治療のゴールに向けてみんなで一緒に進んでいきましょう。

※矯正の先生の役割
入院中は、提携先の矯正の先生が管理を担当してくれます。
手術の設定や手術の立会いなどを行ってくれるため、綿密な連携を取るようにしています。

リスクに関して

リスクを限りなく小さくするための対策もしっかりと説明してもらいます。

入院中に関して

入院中の過ごし方も、先生方が説明してくれます。

術前、術後矯正の通院頻度

1ヶ月に1回の通院頻度になります。

大学病院での検査について

手術の3ヶ月前を目処に、提携先病院で術前検査を3日〜4日に分けて行います。

入院について

入院は7日程度です。

退院後について

退院後は1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後の期間で大学病院に通院していただきます。

ガイドライン