大人の開咬(オープンバイト)の治療について

開咬はどのような症状なの?

奥歯をかみしめても前歯が当たらない状態です。前歯でラーメンが歯で噛み切れず、舌を使っているという自覚症状がある方がそうです。

どうして開咬になってしまうの?

子供のころの指しゃぶりが原因で上下の前歯が伸び切らず、飲み込むときに舌をその隙間に出すという癖が残っていることが原因であることのほか、以前は前歯で噛み切ることができていたのに、顎関節頭の変形(10代後半から20代女性に多いです)が起こって下顎枝が短くなることで奥歯でしか当たらなくなるということもあります。

どういった治療法が適しているの?

歯の傾きの改善で治療できる程度であれば、マルチブラケット装置で治療するのが一般的です。叢生の治療と同様にセラミックブラケットやホワイトワイヤーを用いると目立ちにくいですが、どうしても人に知られたくないのであれば裏側からの治療(インコグニート)やインビザラインやアソアライナー(マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置)で治療することだ出来ます。

矯正治療が終わって前歯で噛み切れる状態を維持するために、舌の癖を改善するための筋機能訓練(MFT)も行っていきます。

下顎の形態や位置など骨格的なことが原因が大きいのであれば、顎変形症の治療として保険診療が可能です。手術を併用することで骨格的に改善しながらかみ合わせも改善する治療を行います。

詳しくは顎変形症へ

成人の開咬の症例をご紹介します。

大人開咬(歯列矯正のみ) 27歳、女性
主訴 前歯で食べ物が噛み切れない
検査 セファログラム分析より下顎下縁平面の開大と上下顎前歯の唇側傾斜が認められた。模型分析より第一大臼歯及び第二大臼歯の近心傾斜が認められた。
治療計画 マルチブラケット装置にて、下顎大臼歯の遠心傾斜及び圧下を図り、下顎下縁平面の開大を改善することで、前歯の被蓋をつける。
経過 顎間ゴム(IMA)を併用して、1年4か月でマルチブラケット装置を撤去し、保定を開始し、現在も安定している。

開始

開始

開始

4か月後

4か月後

4か月後

2年3ヵ月後

1年4か月後

1年4か月後

大人開咬(顎変形症) 25歳、女性
主訴 前歯が出ていて、前歯で食べ物が噛み切れない
検査 セファログラム分析より下顎骨の後方位および下顎下縁平面の過度の開大と上顎前歯の唇側傾斜が認められた。
治療計画 骨格的要因が大きい症例のため顎変形症と診断。保険適応となり上下顎同時移動術を併用する矯正治療を行うこととした。上顎の叢生の解消及び前歯の歯軸改善のため上顎左右第一小臼歯抜歯を行い、マルチブラケット装置にて治療を行った。
経過 術前矯正治療(1年5か月)を行ったのち上下顎同時移動術の手術を行った後(入院7日)術後矯正を1年1か月行い保定を開始。現在も咬合は安定している。

開始

開始

開始

1年5か月オペ直前

1年5か月オペ直前

1年5か月オペ直前

オペ直後(入院7日)

オペ直後(入院7日)

オペ直後(入院7日)

2年6か月後

2年6か月後

2年6か月後

開咬にならない予防策はあるの?

子供の時からの舌の癖や口唇の力の弱さが原因の場合はトレーニングをすることで改善が期待でき、予防することが可能です。永久歯列になってからは歯の傾きや骨格など様々な原因が組み合わさって起こるため、当院では精密検査の分析に基づいた、現在の状態の原因に対する治療方針を患者さんに合わせて提案しております。

大人開咬+受け口(顎変形症)

24歳、女性  
主訴 前歯で噛めない、下顎が出ているのが気になる
検査 セファログラム分析より下顎骨の前下方位および下顎前歯の舌側傾斜が認められた。
治療計画 骨格的要因が大きい症例のため顎変形症と診断。保険適応となり上下顎同時移動術を併用する矯正治療を行うこととした。マルチブラケット装置にて治療を行った。
経過 下顎前歯歯軸の改善および手術直後の緊密な咬合状態の獲得を目的に術前矯正治療(1年2か月)を行ったのち上下顎同時移動術の手術を行った後(入院7日)術後矯正を10か月行い保定を開始。現在も咬合は安定している。

開始時

開始時

1年2か月後 オペ直後

開始時

2年後

開始時