大人の出っ歯の治療について

出っ歯はどのような症状なの?

上の前歯が前に飛び出ている状態です。唇を閉じても歯が出たままであったり、オトガイが緊張して梅干しのようにしわが行くこともあります。矯正臨床診断名は上顎前突症といいます。

どうして出っ歯になってしまうの?

上の前歯が前方に傾いていたり、下の前歯が後ろに倒れていたり、下顎が後ろに下がていたり、あるいはそれぞれの要素が全てかかわっていたりすることが原因です。

どういった治療法が適しているの?

歯の傾きの改善で治療できる程度であれば、マルチブラケット装置で治療するのが一般的です。叢生の治療と同様にセラミックブラケットやホワイトワイヤーを用いると目立ちにくいですが、どうしても人に知られたくないのであれば裏側からの治療(インコグニート)やインビザラインやアソアライナー(マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置)で治療することだ出来ます。

下顎が後ろの位置である骨格的なことが原因であれば上顎の小臼歯を左右対称に1本ずつ抜歯することで、そのスペースを使って前歯を後ろに下げてかみ合わせを作ります。骨格的なギャップを歯を抜いたスペースを使って改善します。

下顎がないことが気になる方は、顎変形症の治療として保険診療が可能です。手術を併用することで骨格的に改善しながらかみ合わせも改善する治療を行います。

詳しくは顎変形症へ

成人の出っ歯の症例をご紹介します。

大人出っ歯(上顎小臼歯抜歯) 13歳、女性
主訴 出っ歯と上の前歯の凸凹が気になる
検査 セファログラム分析より上下顎の前後的位置は問題ないが、模型分析より上顎臼歯部の近心位(前のほうにあること)が認められた。
治療計画 上顎の大臼歯の後方限界(歯が後ろにこれ以上移動できない)を考え、上顎左右第一小臼歯を抜歯し、マルチブラケット装置にて治療を行う。
経過 上顎大臼歯の過剰な近心移動を抑制するために、トランスパラタルアーチを併用し、2年1か月でマルチブラケット装置を撤去し、保定を開始した。

2015.11.22

2015.11.22

2015.11.22

2016.8.28

2016.8.28

2016.8.28

2018.2.25

2018.2.25"

2018.2.25"

大人出っ歯(上下小臼歯抜歯) 24歳、女性
主訴 下顎が出ているのが気になる
検査 セファログラム分析より下顎骨の前方位および下顎前歯の舌側傾斜が認められた。
治療計画 骨格的要因が大きい症例のため顎変形症と診断。保険適応となり上下顎同時移動術を併用する矯正治療を行うこととした。マルチブラケット装置にて治療を行った。
経過 下顎前歯歯軸の改善および手術直後の緊密な咬合状態の獲得を目的に術前矯正治療(1年3か月)を行ったのち上下顎同時移動術の手術を行った後(入院7日)術後矯正を1年行い保定を開始。現在も咬合は安定している。

開始

開始時

開始時

9か月後

9か月後

1年10か月後

1年10か月後

1年10か月後

出っ歯にならない予防策はあるの?

永久歯の上の前歯が生えてくる小学生低学年の時に、歯の傾きを改善したり、下顎を前方へ成長を促すことで出っ歯の程度が軽減することがほとんどですが、成人して成長が終わっていれば、顎の大きさを変えることができないので、上の歯を全体的に後ろに動かすかか、歯のサイズを小さくする(歯冠形態修正、ストリッピング)か、抜歯を行うことで骨格的なギャップを歯でカモフラージュしてかみ合わせを作ります。当院では精密検査の分析に基づいた、現在の状態の原因に対する治療方針を患者さんに合わせて提案しております。